寄生虫は、ペットの健康に対して最も厄介な脅威のひとつであり、季節を問わず存在します。驚異的なスピードで繁殖するノミから、たった一度の蚊の吸血で感染するフィラリアまで、ペットを寄生虫から守るには年間を通じた対策が必要です。思い出したときだけ対処するのでは十分ではありません。
犬と猫に寄生する主な寄生虫
ペットが直面する寄生虫の脅威は大きく2つに分けられます。皮膚や被毛に寄生する外部寄生虫(体外寄生虫)と、臓器・血液・消化管に侵入する内部寄生虫(体内寄生虫)です。それぞれの種類を理解することで、的確な予防策を選択できます。
ノミは最も広く見られる外部寄生虫です。成虫のメス1匹が1日に最大50個もの卵を産み付けるため、わずか数週間で小さな問題が家全体への大量発生に発展することがあります。ノミに刺されると痒みや皮膚アレルギーが起こるほか、グルーミング中にペットが感染したノミを飲み込むと、条虫(サナダムシ)の感染を引き起こすこともあります。
ダニはペットの皮膚に食いついて吸血し、数日間寄生し続けることもあります。ライム病、エールリヒア症、アナプラズマ症など重篤な疾患を媒介することがあります。ダニは背の高い草むらや茂みに潜む傾向があるため、屋外に出る機会の多いペットは特に注意が必要です。
フィラリア(犬糸状虫)は蚊の吸血によって感染し、心臓や肺動脈に寄生します。フィラリア症は進行性の病気であり、最悪の場合、命に関わることもあります。また、予防に比べて治療には大きな費用がかかります。犬と猫のどちらにも感染リスクがありますが、症状の現れ方は動物種によって異なります。
消化管内寄生虫(回虫、鉤虫、鞭虫、条虫など)は、体重減少、下痢、貧血、栄養不足などを引き起こします。汚染された土や糞便、または感染した獲物を口にすることで感染します。
ペットに寄生虫がいるときのサイン
外部寄生虫は多くの場合、目に見える引っ掻き行動、脱毛、皮膚の赤みや炎症として現れます。特に尾の付け根やお腹の周りの被毛に、消化された血液の小さな黒い粒「ノミの糞」が見られることもあります。
ダニは皮膚に付着した小さく暗い色のしこりとして確認できることが多いです。屋外から戻ったら、耳の中、脇の下、趾(ゆび)の間など見落としがちな部分に特に注意しながら、ペットの全身を丁寧にチェックしましょう。
内部寄生虫はより気づきにくいものです。食欲の変化、原因不明の体重減少、被毛のツヤのなさ、嘔吐、下痢、子犬・子猫のお腹の膨れなどのサインに注意してください。フィラリア症の症状はゆっくりと現れ、咳、倦怠感、運動を嫌がるといった兆候が出た頃には、すでに病気がかなり進行している可能性があります。
寄生虫感染の多くは初期段階で明らかな症状が出ないことが多いため、症状が出てから対処するよりも、継続的な予防を行うことが何よりも重要です。
年間を通じた予防:最善の防御策
ペットを守るための最も効果的な方法は、年間を通じて継続的に予防することです。寄生虫はさまざまな環境条件のもとで生息できるため、予防に空白期間を作ってしまうと、その隙に寄生虫が定着してしまいます。
ノミ・ダニ対策としては、スポットオン(滴下型)製品と経口チュアブルが最もよく使われています。どちらも定期的に使用することで確実な効果が期待できます。スポットオン製品は皮膚に直接塗布し、被毛の天然油脂を通じて広がります。一方、経口タイプは血流を通じて全身に作用します。
フィラリア予防は通常、毎月投与するチュアブルまたはスポットオン製品で行います。多くのフィラリア予防薬は一般的な消化管内寄生虫にも効果があり、1つの製品で複数の寄生虫を予防できます。毎月決まったスケジュールを厳守することが非常に重要で、1回でも飲み忘れるとペットが無防備な状態になりかねません。
ワンポイントアドバイス:スマートフォンに毎月繰り返すリマインダーを設定して、寄生虫予防の日を忘れないようにしましょう。継続することこそが、ペットを守る最も重要な要素です。製品が効かないのではなく、投与を忘れることが問題なのです。
環境の管理も忘れずに行いましょう。ペット用の寝具をこまめに熱湯洗いし、カーペットやソファを頻繁に掃除機がけし、屋外のスペースを清潔に保つことで、自宅周辺のノミやダニの発生環境を減らすことができます。
適切な寄生虫予防製品の選び方
市場にはさまざまな製品があり、どれを選べばよいか迷うこともあるでしょう。まず、お使いのペットにとって最もリスクの高い寄生虫を特定し、その脅威に特化した製品を探すことから始めましょう。
スポットオン(滴下型)製品は肩甲骨の間に塗布するタイプで、通常、ノミ・ダニ・ニキビダニや毛虱にも効果があります。錠剤を飲ませるのが難しいペットに適しています。
経口チュアブルはフレーバー付きの錠剤で、おやつとして喜んで食べるペットも多くいます。速効性のあるノミ・ダニ駆除効果があり、一部のスポットオン製品と異なり、シャンプーや水泳の影響を受けません。
複合タイプの製品は、複数の寄生虫を一度に対策できるよう設計されています。例えば、ノミ・フィラリア・消化管内寄生虫をまとめてカバーする毎月1回投与の製品などがあります。これにより予防の手間が省け、個別に製品を揃えるよりコストを抑えられる場合もあります。
製品はペットの動物種と体重に合ったものを必ず選んでください。犬用に作られた製品が猫には有毒となる場合があります。また、大型犬に少ない用量を投与しても十分な予防効果は得られません。購入前に必ずラベルをよく確認しましょう。
ペットを無防備にしてしまうよくある失敗
涼しい時期に投与をやめてしまう。多くの飼い主が、寄生虫は暖かい季節にしか活動しないと思い込んでいます。実際には、ノミは屋内では年間を通じて生き続けることができますし、蚊は予想外の暖かい日には現れることもあります。予防の空白期間は、フィラリア感染の主な原因のひとつです。
動物種に合わない製品を使ってしまう。犬用に作られたペルメトリン配合のノミ駆除製品は、猫には非常に有毒です。複数のペットを飼っている場合は、使用前にすべての製品を必ず確認してください。
不規則な投与。スポットオン製品の塗布を1週間遅らせたり、毎月のチュアブルを飲み忘れたりすることで、無防備な期間が生じます。寄生虫はほんのわずかな隙間でも寄生の機会を逃しません。
目に見えるサインが出てから対処する。ペットの体にノミが見えた時点では、それは全体の発生数のわずか約5%に過ぎず、残りの95%は卵・幼虫・蛹の状態で周囲の環境に存在しています。予防は、常に事後対処に勝ります。
よくある質問
室内飼いのペットでも寄生虫に感染しますか?
はい、感染します。ノミは衣服や靴、他の動物に付着して室内に入り込むことがあります。フィラリアを媒介する蚊も、開いたドアや窓から簡単に室内に侵入します。室内飼いのペットにも年間を通じた寄生虫予防が必要です。
ノミ駆除製品とフィラリア予防薬を同時に使っても安全ですか?
多くの場合、安全に併用できます。フィラリア予防薬と別のノミ・ダニ駆除製品を問題なく一緒に使用している飼い主も多くいます。ただし、製品の相性については各製品のラベルを必ず確認してください。また、1回の投与で複数の寄生虫に対応できる複合タイプの製品を検討するのもおすすめです。
ノミ駆除製品はどのくらいの速さで効果を発揮しますか?
最近のノミ駆除製品の多くは、投与後数時間以内に成虫のノミを駆除し始めます。ただし、卵や蛹は薬剤に抵抗性があるため、環境中のノミのライフサイクルを完全に断ち切るには数週間かかる場合があります。既存の感染を根絶するには、毎月継続して使用することが不可欠です。
ノミ・ダニ・寄生虫・フィラリアからペットを守ることは、決して難しいことではありません。大切なのは、継続して行うことです。ペットに最適な製品を見つけるために、ノミ・ダニ・フィラリア予防製品の一覧をぜひご覧ください。どの製品を組み合わせるべきか迷った場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。
